中小企業のIT化で浮上する課題

中小企業を取り巻くIT化の課題として、以下のようなものが考えられます。

・ITリテラシーが不足している

経営層や担当者のITリテラシーが不足していると、IT化が遅れる傾向にあります。ITリテラシーはITを活用する際に必要な知識・スキルです。パソコンをはじめ、各種ITツールやアプリケーションなどを使いこなすうえで欠かせない能力といえます。このITリテラシーが十分に備わっていない場合、どのようなシステムを導入すると利益が生まれるのかわからない、システムを導入したが業務の効率化に活かせないといった事態が発生します。

・費用対効果に対する懸念

ビジネスにおいて費用対効果の考え方は欠かせません。基本的にIT投資は結果が出るまでに時間がかかるケースが多いです。しかし、短期的な成果を求めていたり、費用対効果を算出する方法がわからなかったりすると「本当にITを導入する意味はあるのか？」と悩み、IT化が妨げられることがあります。IT技術の投資は、生産性の向上や業務効率の改善などが主な費用対効果です。そして、その先にある利益向上や事業成長を強く意識することが重要です。

・IT人材の不足

IT化の進捗が遅延しているのは、IT人材が不足していることも大きな理由です。社内にIT関連の知識・スキルを持つ優秀な人材がいないため、IT化が進められない中小企業は少なくありません。社内でIT人材を育成するにも時間がかかり、また、大企業と比べて人材確保が難しいという現状などもあり、人材不足による負のスパイラルが発生してしまうのです。

中小企業のIT化によるメリット

IT化に対する課題は山積みですが、中小企業がIT化を推進することで以下のメリットが得られます。

・生産性の向上や売上・利益の最大化

中小企業は少数の社員で成り立っていることが特徴です。事業を運営する人員は限られているため、売上や利益を増加させるにあたって生産性の向上は欠かせません。IT化を成功させることで社員の業務負荷を軽減し、コア業務に集中する機会が増えて売上・利益アップにつながります。また、新たに生まれた時間を使って、新規事業の立ち上げなどに取り組むことも可能です。

・社員の負担・ストレスを軽減できる

前述のとおり、IT化による社員の業務負荷の軽減はプラスの影響をもたらします。業務に対するストレスも減り、働きやすい環境を整えられます。また、生産性向上による利益の増加に伴い、賃金の上昇で社員への還元も叶います。結果として社員満足度が向上し、離職率の低下などの効果も期待できます。その他、IT化は中小企業が抱える働き手不足の改善につながります。