IT戦略におけるフレームワークの意味

まずIT戦略とは、IT技術や情報システムをどのように企業経営に活用するかを定めた、具体的な方針・計画・戦略のことです。中長期的な計画として考えるケースが多く見られます。一方のフレームワークは経営戦略や課題解決、目標達成などに役立つ思考の枠組みです。IT戦略におけるフレームワークは、自社の経営課題を最速で解決するために必要な手法と考えられます。

IT戦略にフレームワークを活用する理由

フレームワークは手順や考え方を特定の型にまとめたものです。IT戦略の策定時、フレームワークを使うことで自社の現状や立ち位置などが整理でき、物事を正確に把握しやすくなります。それぞれの項目に必要事項を当てはめていけば、ITの導入から成功するまでの流れを導き出せるのです。

経営に対する課題や問題を抱える企業は少なくありません。最短で課題解決を目指すには構造的な問題を理解し、対策を企画する必要があります。

IT戦略に役立つフレームワーク

IT戦略に役立つフレームワークとして、3C分析、SWOT分析、バリューチェーン分析などがあります。各フレームワークの目的や活用方法を知ることで、IT戦略を効率的に構想・計画できます。

・3C分析

Customer（顧客）、Competitor（競合）、Company（自社）の3つに焦点を当て、それぞれを調査・分析し、成功に導いたと推測される要因を解明して効果的な戦略の立案・策定に役立てます。自社の強みを知ること、提供する商品・サービスをIT技術によってどのように実現するか、顧客が求めている機能は何かなどの把握に役立ちます。

・SWOT分析

Strength（強み）、Weakness（弱み）、Opportunity（機会）、Threat（脅威）の頭文字をとったものです。4つの要素をプラス要因とマイナス要因に分けて分析することで、自社環境の整理と把握ができます。自社の得意分野を把握するのに有効な手段であり、経営課題をIT技術や情報システムの観点から解決するIT戦略と相性の良い手法です。

・バリューチェーン分析

企業の各事業を分けて考え、それぞれが創出する価値とコストを分析する手法です。IT戦略においては企業が抱える課題を詳細に分析し、課題解決に必要な施策の価値とコストを分析できます。

これらのフレームワークをIT戦略の立案に活用する場合、3C分析において自社の抱える経営課題を正確に把握・分析し、SWOT分析で立案している戦略内容のメリット・デメリットを比較・検討します。さらに、バリューチェーン分析によって設定した戦略の価値や必要なコストを算出することで、最短でより大きな結果を創出するための準備が可能です。