よくあるIT戦略での失敗例

IT戦略を成功させるうえで、失敗例について知っておくことも重要です。

・IT戦略の目的が不明瞭

IT戦略を考える際に目的が不明瞭だと、的を射た改善策の立案が難しい場合があります。例えば、ITや情報システムを活用した課題解決の実現を考えていたにもかかわらず、新たなシステム導入をゴールにしてしまうといったケースも少なくありません。システム導入後のプランが定まっておらず、導入したシステムを有効活用できないといったトラブルが起こり得るのです。

・部分的なITシステムの導入

自社が抱える課題を解決するための重要なポイントは、「全体最適」を第一に考えることです。仮に、限られた部署にしかメリットのないシステムを導入してしまうと、他部署への情報連携が不十分になります。その結果、情報連携を改善するために別のシステム導入が必要になるといったデメリットが生まれます。

・オーバースペックなシステムを導入する

システム導入の検討時、想定以上のシステムに膨れ上がってしまうことも多いです。しかし、必要以上の機能が備わったシステムを導入したものの、あまり活用されず、費用対効果が薄くなることも考えられます。自社の経営課題などを正確に把握し、費用対効果に見合ったシステムかどうか、確認することが必要といえます。

IT戦略を成功させるためのポイント

IT戦略を成功させるポイントとして、以下のようなものが挙げられます。

・IT戦略策定の目的とゴールを明確にする

IT戦略を立案・策定する段階において、目的とゴールを明確化することが成功の秘訣です。ゴールに向かうために必要なプロセスを社内で共有し、中長期的な経営ビジョンとして定めておきます。それにより、横道に逸れることなく課題解決を実現できます。

・企業全体のベネフィットについて考える

IT戦略においてシステム導入を検討する場合、社内全体で連動できるシステムを選定することが重要です。例えば、経理部門の効率化を目的とするなら、営業部の経費データとの連動機能を備えているシステムを選ぶことが望ましいです。

・自社に必要なシステムは何かを考える

大きなプロジェクトとしてIT戦略を進めるのではなく、一つの部署の業務改善から少しずつ範囲を拡大することが成功のポイントです。定めたIT戦略を実現するための最低限必要なスペックは何かを常に検討することで、コストを抑えながら、必要な機能を厳選したシステムを導入できます。

IT戦略を成功させるためには、課題解決に対する経験やノウハウが欠かせません。IT戦略の策定でお困りの際は、ITコンサルタントへの依頼をおすすめします。企業が抱える経営課題のヒアリングや分析をはじめ、有効な施策の立案、プロジェクトの統括や進捗管理などのサポートを行います。